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インフルエンザからわが子を守る!!
◆手洗い、うがい パパがチェック、お手本を 予防策を確認
今年も10月から全国的にインフルエンザの予防接種が開始された。乳幼児や小さな子供にとってインフルエンザは大敵だ。乳幼児が感染すると、インフルエンザ脳症という重篤な合併症を起こす危険もある。イクメンたる男子、流行の冬を前にしてインフルエンザの知識をみっちり仕込み、わが子を感染から守るべし!
◇
◆突然高熱が出たら
インフルエンザの病原体はインフルエンザウイルス。大きく分けてA型、B型、C型がある。このうち流行を繰り返すのはA型ウイルスとB型ウイルスで、特にA型ウイルスは感染力が非常に強く、ときに大流行を引き起こす。
インフルエンザと普通の風邪では、症状の特徴が違う。普通の風邪はのどの痛み、鼻水、くしゃみやせきなど、のどや鼻の症状が中心だ。一部では高熱が出ることもあるが、重症化することは少ない。
一方、インフルエンザは、突然38〜40度の高熱が出て、頭痛や関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く表れる。下痢や腹痛、せき、強いのどの痛みが見られることもある。さらに、気管支炎や肺炎などを合併したり、小さな子供では中耳炎、熱性けいれんを起こすこともある。中でもインフルエンザ脳症は乳幼児の最も重い合併症で、命にかかわることもあるから十分な注意が必要だ。
とはいえ、乳幼児や小さな子供は言葉で症状を訴えられない。普通の風邪より症状が強いと感じたり、様子がおかしいと思ったら、迷わず一刻も早く小児科に連れて行こう。高熱が出たからといって、あわてて解熱剤を使うのは禁物だ。もしインフルエンザだったら、15歳未満の子供の一部に脳症を起こす解熱剤もあるからだ。
◆まずは予防接種
インフルエンザウイルスは、感染した人のしぶきやくしゃみで空気中に飛び散り、これを吸い込んで感染するから、家族全員で予防することが肝心だ。まず、みんなで一緒に予防接種を受けよう。特に出張の多いお父さんは必要。予防接種を受けてもインフルエンザにかかってしまうことはあるが、軽くすむ。子供は生後6カ月から受けられる。
流行期にはできるだけ外出を控える。どうしても外出するときは、短時間とし、人ごみを避ける。外出時はマスクをし、子供には顔の大きさに合ったマスクを選んであげよう。外から帰ってきたら、必ず手洗い(せっけんで指や爪の間までしっかり洗う)とうがいをする。小さい子供は手についたウイルスを口に運ぶことで感染する可能性もあるので、きちんと手洗いとうがいをしているかを親が確認することが大切だ。子供は簡単にすませがちなので、パパがお手本を見せてあげよう。殺菌スプレーやジェルを使うと、さらに効果的だ。インフルエンザウイルスは、温かく湿度が高い環境では感染力が落ちるので、室内の温度と湿度にも気を配ろう。
子供は高熱があっても元気に遊びまわっていることがある。もし感染が判明したら、できるだけ安静にさせ、ゆっくり寝かせることだ。熱があると脱水を起こすので、お茶、ジュース、スープなど子供がほしがるもので水分を補給する。
インフルエンザは、きちんと予防策を講じれば感染率はグンと低くなる。大切なわが子をインフルエンザ感染から守るため、イクメン諸氏よ、家族の陣頭に立って予防に取り組もう。
◇
記事監修 大川洋二(ひろじ)・大川こども&内科クリニック(東京都大田区、http://www.ocfc.jp/)院長。小児科専門医。東京医科歯科大学医学部臨床教授。日本小児科学会代議員。
(2011.10.29 産経ニュースから転載)
親の8割が「うちの子って天才」って思った経験あり
子育てについて保護者に聞いたところ、約8割の人が自分の子どもが天才だと思った経験があることが、ベネッセコーポレーションの調べでわかった。
調査は、子どもの好奇心などについて調べている同社のプロジェクトチーム「こどもメガネ委員会」が、同社の0〜6歳を対象にした幼児教育事業「こどもちゃれんじ」の会員の保護者を対象に、9月20〜27日にインターネットで実施。有効サンプルは2284人だった。
「『うちの子って天才!? 才能あるかも!?』と思ったことがありますか」という質問に、「頻繁にある」(13.3%)と「時々ある」(67.3%)を合わせて80.6%の保護者が「ある」と回答。また、天才だと思った時期を聞いたところ、「2歳」が87.1%で最も多く、4歳(84.8%)、3歳(84.6%)の順だった。
「どんな場面で天才と感じるか」について聞いたところ、「物事の理解が早い」(30.9%)で、「言葉を覚えるのが早い」(24.3%)に並んで、「テレビなどで流れる曲をすぐに覚えて歌っている」(30.3%)、「音楽に合わせてリズムをとった」(29.4%)などが多く、日常の中から才能を見いだす場面が多かった。
また、どのような職業に就いてほしいかを聞いたところ、男の子では公務員(10.1%)、女の子では薬剤師(11.4%)が1位で、安定感のある職業を望む声が多かった。ただ、「子どもの自主性に任せて、将来を築いてほしい」と思っている保護者が85.1%を占めた。
子育ての場面で、子どもの気持ちがのぞける“めがね”があるとしたら、「どんなめがねがほしいか」という質問には、「子どもの一見ネガティブな行動の理由がわかる」めがねと回答した保護者が43.4%で最も多かった。次いで、「子どもの才能の芽が見える」(39.1%)、「子どもの空想した世界がのぞける」(30.1%)、「いたずらをした時に、しかるべきいたずらと見守っていいいたずらの判別がつく」(29.4%)と続いた。
(2011.10.7 毎日新聞デジタルから転載)
親の睡眠不足で子供が肥満? 食事バランス崩れ
親が十分に睡眠をとっていない場合、子供に睡眠不足や寝坊、食べ過ぎなどの問題が出る傾向があることが、NPO法人「日本ブレインヘルス協会」(東京都千代田区)などでつくる「睡眠改善委員会」の調べで分かった。
慢性的な不眠ではないが、睡眠に不満を感じる人や睡眠を軽視する人を、委員会では「かくれ不眠」と定義。調査は8月、小学生以上の子供を持つ、かくれ不眠の209人と、快眠できている210人にインターネットで行った。
それによると、子供の生活について「就寝時間が遅い」は、かくれ不眠41・6%、快眠者19%。「寝坊が多い」は、かくれ不眠16・7%、快眠者7・1%だった。
また、「食べ過ぎが多い」は、かくれ不眠19・1%、快眠者11・9%。「肥満気味」は、かくれ不眠20・6%、快眠者12・9%−となった。
委員会では「親の影響で子供も就寝時間が遅くなっていることが寝不足につながる」と分析。親自身が食べ過ぎることで家庭の食事バランスが崩れ、子供が太ることが考えられるといい、親自身の睡眠改善を呼びかけている。
(2011.9.29 産経新聞から転載)
【東日本大震災】 子どもにどう伝えるべきか
災害について子どもにどう伝えるか、ショックやトラウマを受けた子どもの心をどう支えたらいいのか。大人自身が、そして社会全体が大変なときに、容易なことではありません。でも、私たちにできることはたくさんあります。将来を担う子どもたちのために、一緒にがんばりましょう。
1)テレビを消しましょう
必要以上にテレビでニュースを垂れ流しにするのはやめましょう。できる限り、他の情報収集手段を駆使し、子どもがいないところでニュースをチェックしましょう。大人には「同じ映像を繰り返し流しているなあ」と一目瞭然のことでも、子どもは、今も怖いことが続いて起こっているのかと受け止めます。
また距離感が分からないので、危機を自分のごく身近なことと感じてしまいます。テレビからの情報で子どもがトラウマを受ける可能性を考慮して、慎重に判断しましょう。
2)まずは安心させて
子どもは様々な形で不安を表現します。甘えん坊になり何かにつけてぐずぐずしたり、一人で寝るのを怖がったり、逆に反抗的になったり。中にはお漏らしをしてしまったり、頭痛や腹痛を訴えるといった、実際に身体的な変化や痛みとして現れることもあります。たくさん抱っこしてあげたり、一緒に過ごす時間を大切にしましょう。
そして、子どもがかけがえのない存在であることや、その子を守るために全力を尽くしている、といった、言わなくても分かっているだろう、当然のことも、ときにはきちんと言葉で伝えてあげることも大事です。言霊という通り、言葉にして伝えることにより、子どもにより強い信頼感、安心感を与えます。
3)子どものそのままを受け入れる
子どもの気持ち、考え、疑問、反応、すべてをそのまま受け入れ、認めてあげましょう。オープンで受容的な雰囲気を作り、子どもが何でも話したいことや聞きたいことを表現できるようにします。しかし、まだ話したがらない子に無理に話させることは逆効果になることもあります。特に今の一瞬一瞬を生きている幼児の心は夢の中のように流動的で、大人のように記憶や感情を心に溜めていないこともあります。
後述しますが、子どもは絵を描いたり、ごっこ遊びをしたりして、気持ちを表現し、心を癒していることもあるので、話すことだけにこだわらず、トータルに子どもを受け止める視点を持ちましょう。
4)子どもが質問してきたときが話をする一番いいタイミング
幼い子どもに甚大な災害について話すのは容易なことではありません。でも子どもが聞いてきたとき、または、子どもが耳にした情報で怖がっているときなど、親としての勝負時という気持ちで、きちんと子どもに向かい合ってあげるべきです。人生で何度もない(あってはならない)重大事件であり、親子関係にとっても決定的瞬間のひとつです。子どもの性格や考え方、反応の仕方などを一番分かっている親が、真剣に心を込めて語ることが何より大事です。テレビまかせ、先生まかせでは子どもの不安が増大するばかりです。
5)細かい科学的説明や恐怖をあおるような視覚的イメージは避け、シンプルな叙述で
大丈夫だと嘘をついたり、事態を無視・軽視するような態度は、子どもは直感的に偽りを感じます。事実をその子に分かる言葉で説明してあげましょう。子どもは天性の回復力、順応性、前向きな明るさを備えており、大人の想像以上に強い芯を持っています。その強さを信じて、真摯に向き合えば、必ず子どもは応えてくれます。
6)希望が持てるような終わり方に
警察や消防隊員らが懸命に働いてくれているとか、県外・海外からも援助が来ている、みんなで力をあわせてがんばっている、というようなポジティブな情報を伝えて、ハッピーエンディングとは行かないまでも、落胆や恐怖よりも復興や希望に焦点を置いた終わり方にします。語る大人にも力を与えてくれるはずです。
7)何度でも繰り返して
大人の話が分かりにくい、信じがたいという場合、繰り返し聞いてくる子どももいるでしょう。何度でも繰り返し答えてあげてください。同じ話を繰り返し語られることで安心し、少しずつ消化することができます。
8)リズムを取り戻す
お話に限らず、子どもはすべてにおいて繰り返しが好きです。大人も毎日の日課・習慣が崩れると不安が増し、体調にも影響します。可能な限りこれまでと同じリズムを取り戻しましょう。何がなくとも、おはよう、いただきます、ごちそうさま、などの挨拶だけはできます。生活が激変してすべてが流動的な場合は、朝に子どもと一緒に身体を動かす、食事の前にみんなで手を合わせる、黙想するといった新しい習慣を取り入れて、毎日繰り返すことでもリズムが生まれ、子どもが安心できる心の基地の役割を担ってくれます。嵐の海から見える灯台の灯りのように、私たちの心を導いてくれるでしょう。
9)子どもが遊べる場を
子どもの仕事は遊びです。通常なら当たり前のことですが、非常事態の中、遊びなど考えもつかないかもしれません。前述のように、子どもは未消化の経験や感情を、絵に描いたり、ごっこ遊びとして繰り返して、表現することがあります。一時的でも遊びに没頭し、遊びきることにより、身体を動かし、気持ちを表現し、心身ともに平常の状態に近づけることができます。状況の許す限り、子どもが子どもでいられる時と場所を用意してあげてください。特別なものは要りません。その昔、石ころ一つで遊んだ遊びを教えてあげてください。紙と鉛筆があれば絵をかいてもいいよと渡してあげてください。
10)大人がお手本に
子どもは真似をする生き物。大人を鋭く見ていて、そのまま真似をします。実際の行動もさることながら、大人同士の会話、心の持ち様まで、すべてです。だからといって、子どもの手前、取りつくろったり、無理に背伸びをせよというわけではありません。未曾有の災害に遭い、大人も恐怖や不安を感じながら、それでも希望を失わず立ち向かっている、そのままの姿に子どもは勇気づけられます。失敗もするし、後退することもあるけれど、人間として向上しようと精一杯努力を続ける大人の姿、それを子どもは手本として学び、栄養として育ちます。
他にも、子どもと一緒にできる具体的な行動を起こす(募金をする、お手伝いをする、祈る)、悲しみや困難を乗り越える内容の昔話や勇気を題材にした童話など、お話の世界に浸らせてあげる・・・などなど。親としての直感を信じ、勇気を持って行動してくださることを、子ども達の明るい笑顔が一日も早く戻ることを祈ってやみません。(丹羽博美)
(2011年3月19日 福井新聞WEBコラムから転載)
「小1問題」幼保・小で連携
入学前に学校体験、入学後は合同授業
小学校入学後の子どもたちが学校生活に適応できず、授業が困難になる「小1プロブレム」。その解決を図るための取り組みが始まっている。
就学前の子どもを小学校に計画的に「体験入学」させるなど、様々な工夫がされている。
2月中旬、東京都文京区の青柳小学校を、今春新1年生となる大塚保育園と青柳幼稚園の年長児約40人が訪れた。5年生と共に図工の授業を受けるためだ。この日の課題は入学式用の飾り作り。
「チョウチョウを作りたい」。男子園児が銀色の折り紙を手にこう言うと、女子児童が「じゃ、はさみで切る?」と声をかけた。約90分の授業で模造紙5枚分の大きな飾りが完成した。保育園児のひとりは「最初は緊張したけどもう大丈夫。小学校が今から楽しみ」とうれしそうだ。
こうした取り組みを同小が始めたのは昨年度から。東京都が進める「就学前教育プログラム」の一環だ。図工のほか、音楽の授業や給食、運動会などにも年長児を呼ぶ。
「入学前から小学校の環境に親しむことで、スムーズに学校生活に入っていける」と同小校長の森島徹さん。
背景には、小1プロブレムがある。
東京都教育委員会が09年に都内の公立小1313校を対象に実態を調査したところ、4校に1校で発生していたことが分かった。その内容は「授業中、勝手に立ち歩いたり、教室の外へ出たりする」(68%)、「指示通り行動しない」(62%)、「児童同士のけんかやトラブルが日常的」(50%)など。こうした状況が「年度末まで継続」する学校も54%と多かった。
青柳小の取り組みは、単なる交流ではなく、保育園や幼稚園の職員と情報交換しながら、年間計画を立てて実施するのが特徴だ。今年度は計10回近く、小学校生活を「疑似体験」させ、園児の保護者にもその様子を公開した。
こうした「体験入学」は京都府など各地で広がりつつある。小学校側は、継続的にかかわることで、子どもの情報を事前に知ることができる利点もある。
入学後の取り組みも。仙台市立鶴巻小学校では、入学から約1か月の間、1年生が合同で毎朝同じ授業を、体育館などで受ける。1時間目は、歌やゲームなどを楽しむ「ぽかぽかタイム」。音楽や国語、体育など様々な教科の要素を取り入れた「合科的」授業だ。幼稚園や保育園の雰囲気に近く、先生や友達との関係を築きやすいという。2時間目は校内を巡る「学校探検」だ。
校長の米沢孝雄さんは「いきなり国語や算数の45分授業が続くのは子どもには負担。導入期間を手厚くすることでその後、楽しく授業を受けられるようになる」と話す。
同市ではこうした試みを今年度から20校で実施。4月に全面実施される小学校の新学習指導要領でも、入学当初は生活科を核にした合科的指導が望ましいとしている。
小1プロブレムなどに詳しい白梅学園大教授の無藤隆さんは「具体的な効果が出て来るのはこれからとなるが、幼小のギャップを埋めるための努力は欠かせなくなってきている」と話している。
新環境へ適応力育成
小1プロブレムが問題視されるようになったのは1990年代後半ごろからだが、具体的な対策が動き出したのはこの数年のことだ。
熱心な幼稚園や保育園では未然に防ごうと、先生の話を静かに聞く時間を設けるなどの準備を行ってきたが、小学校側の動きは鈍かった。
ところが、2009年度に全面実施された新しい保育所保育指針や、幼稚園教育要領、来年度全面実施となる小学校の学習指導要領で、積極的に連携することが求められるようになり、後押しとなった。
背景には、子どもの育つ環境の変化があると言われる。
ある小学校の校長は「今の子どもは一人で外を遊び歩くことを禁じられ、習い事に忙しく、遊べる友達も場所も限られている。新しい環境への適応力が育っていないのも仕方ない」と話す。
別の小学校の校長は「昔なら厳しくしかれば教室は静かになったが、今はそういう時代ではない。ただ、わがままとも言える言動を許してしまうことにもなっているのでは」と打ち明ける。
耐性・生活習慣・家庭力をチェック
東京都教育委員会の09年の調査では、校長や教師が考える小1プロブレムの要因として、「児童に耐性が身についていない」「基本的な生活習慣が身についていない」「家庭の教育力の低下」「担任が指導を適切にできなかった」――などが挙がった。
保育士として17年の経験を持つ厚生労働省保育指導専門官の丸山裕美子さんは「保育園や幼稚園と、時間割で動く小学校の生活では文化が全く異なる。そのギャップを楽しみながら成長できる子が大半だが、中には適応できず、最初からつまずいてしまう子がいるのも事実」と指摘する。
「保育園、幼稚園と小学校が情報交換を密にし、連続して見守る仕組み作りが、解決のポイントになるのではないか」と話す。各地での取り組みには温度差が大きい。その解消も今後の課題だ。
楽しい登校へ家庭で準備を
小学校の生活をスムーズに始めるため、入学前に家庭で出来る準備は何か。
京都府教育委員会ではPTAに委託し、新1年生の保護者向けの「応援塾」を開いている。長岡第八小学校PTAでは、保護者の不安などに応えるプリントを配布した。
「小学校では毎日の時間割や持ち物の管理など、親が丁寧に子どもを見てやることが求められる。楽しく登校できるよう入学前の準備を」=別表参照=と同PTA担当者は助言している。
入学前にやっておきたいこと (長岡第八小PTA資料などから作成)
▽少なくとも登校の1時間前には起床する生活リズムを作る。朝ごはんも余裕をもって
▽給食のメニューは多彩で食べる時間も短め。様々な食材に慣れさせたい
▽小学校は和式トイレが多い。公共施設などで練習を。男の子は小便器の使い方も
▽着替え、傘の開閉なども練習しておくと安心
▽通学路は何度も歩き、危険な所などを確認
(2011年2月22日 読売新聞から転載)
子供の熱中症対策 水分補給など予防/大人が症状注意
めまいや立ちくらみ、頭痛などの症状に苦しめられる熱中症。気温や湿度が高くなるこれからの季節に発症しやすく、体温調節機能が十分に発達していない子供は特に注意が必要だ。子供の熱中症対策について、昭和大学病院(東京都品川区)総合診療部の森田孝次医師(小児科)に聞いた。
◆発症しやすい
日射病や熱射病など耳になじんだ呼び方もあるが、森田医師は「かつては重症度によって用語が使い分けられていたが、現在は熱中症で統一されている」と説明する。
熱中症は「体温の上昇と、それを抑える仕組みのバランスが崩れた状態」。気温が高かったり運動などで体を動かしたりすると体温は上昇する。通常は汗をかいて蒸発させたり、体表に血液を集めたりして外気に熱を放出し、体温を下げる。ただ、気温や湿度が高い▽風が弱い▽日差しが強い−などの環境で体内の水分や塩分のバランスが崩れると、十分に汗をかけなかったり、血液の流れが悪くなったりして体に熱がこもり、熱中症につながる。
体の成長度合いにもよるが、乳幼児から中学校卒業程度までの子供は、
(1)汗をかく能力が未熟
(2)運動時に血液が体表に熱を運ぶ能力が不十分
(3)体が必要とする水分量が多く脱水状態になりやすい
などの理由から発症しやすいという。大人よりも身長が低いため、地面からの輻射(ふくしゃ)熱の影響を受けやすいのも要因だ。
症状は重症度によってI〜III度に分けられる。
最も軽いI度の症状は、立ちくらみやめまい、こむら返り、大量の発汗などで、II度は頭痛や吐き気、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感、虚脱感など。III度になると手足の運動障害や意識障害、けいれん、体が熱くなる高体温といった症状が表れる。
森田医師は「小さな子供の場合、自分で症状に気づきにくい。早めに対処するため、『熱中症なのでは』と周囲の大人が疑ってほしい」と強調する。
◆暑さに強い体を
症状に気づいた場合、風通しの良い日陰やクーラーが効いている室内で休ませる。さらに、皮膚に水をかけてうちわなどであおいだり、氷嚢(ひょうのう)やぬれタオルを首の周りや脇の下などに当てたりして体を冷やす。同時にイオン飲料や(脱水症状の治療などに用いられる)経口補水液などで水分・塩分を補給する。「水を飲ませながら塩を少しなめさせる」方法でもいいという。
症状は悪化する可能性がある。乳幼児の場合は必ず、それより大きい子供でも、II、III度の場合は病院へ行く。特に意識障害や嘔吐、けいれんなどが見られる場合は「すぐに救急車を呼んでほしい」(森田医師)。
熱中症の予防には、
(1)こまめに休憩を取り水分補給する
(2)帽子をかぶり、通気性が良く、熱がこもりにくい明るい色(白や黄色など)の服を着る
(3)「早寝・早起き・朝ご飯を食べる」の規則正しい生活を守る−のがポイントだ。また、普段から朝夕の涼しい時間帯にじっくり汗をかくような運動を行い、暑さに強い体を作っておきたい。森田医師は「子供の場合、外で元気に走り回って遊ぶことが大切」と話している。
■自動車内への放置 短時間でも絶対ノー
熱中症対策としては、自動車内への子供の放置にも注意が必要だ。
日本自動車連盟(JAF)が平成19年4月に行ったユーザーテストで、外気温が最高23・3度のとき、車内温度は最高48・7度を記録。18年7月に行った夏場のテストでは、30度超の外気温の中で車内温度は50度を超えた。エアコンを使用していても40度近くになった。
昭和大学病院の森田医師は「命にかかわる重症の熱中症になる危険がある。短時間でも車内に放置してはいけない」と警告している。
(2012.6.6 産経ニュースから転載)